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建設通信新聞(5月18日)に「急ごう!! 天井耐震化」が掲載されました。

2011年5月18日(水)の建設通信新聞に

「急ごう!! 天井耐震化 内部部材に関心薄く 設計者の意識向上が不可欠」

が掲載されました。

当組合の小林俊夫技術顧問、塩入徹技術委員長によるコメントも掲載されております。

<以下、記事内容>

 震災が起きるたびに、建物の天井落下被害がクローズアップされる。建物躯体は耐震化が進み、どんどん強くなっていく一方で、非構造部材である天井の安全性は、人命に関わる事故が少なくないにもかかわらず万全の対策がとられているとは言い難い。背景には、基準の分かりにくさや設計者の意識の低さ、コストなどの問題がある。安全・安心という最低限の機能を持ち、震災後でも使い続けられる建物を実現するために、天井の耐震化は緊急の課題といえる。

 

 東北地方太平洋沖地震に限らず地震発災後には、建物そのものは無事だが天井だけが落下するケースが多発している。広い面積にわたって落下するため、一度に多数の被害者を出す場合もある。

 

◆天井は内装の認識
 「大地震のたびに、躯体の耐震基準だけが厳しくなっていく。建物が壊れない分、天井の落下事故が目立ってきた」。耐震天井の普及に努める日本耐震天井施工協同組合(JACCA)の小林俊夫技術顧問は、耐震化の流れから天井だけが取り残されていく現状に危機感を抱く。
 小林技術顧問は、耐震化が進まない最大の要因は、天井が躯体ではなく内装である点を挙げる。通常、建物の耐震設計は専門知識を持つ構造設計者が手掛ける。しかし、内装と認識されている天井は、耐震設計といえど構造設計者の範ちゅうではない。
 「設計の段階で耐震性が要求されなければ、必然的により安い部材、より簡単な施工が選ばれる」(小林技術顧問)建物の安全性は低下する一方だ。
 建築基準法では、特殊建築物の天井の耐震対策状況を報告することが義務化されている。その責任は建物所有者、管理者にかかるため、設計者も無関心ではいられないはずである。

 

◆性能基準の周知必要
 建築基準法施行令第39条では、屋根ふき材、内外装材などは、地震によって脱落しないようにしなければならないと明記されている。また、大規模空間を持つ建築物の天井崩落対策に技術的助言を行った日本建築センターの『体育館等の天井の耐震設計ガイドライン』など、天井の耐震化についてはさまざまな規定がある。
 「官庁関係の施設には、目標数値が設定されている。それでも軽視される傾向にある」。JACCAの塩入徹技術委員長は、天井の性能基準を周知徹底することが必要と強調する。せっかく基準が設定されていても、きちんと整理されていないため、設計者が理解しにくい現状も耐震設計が進まない理由の一つだ。

 

◆診断士制度を開始
 JACCAは、4月から1級、2級の建築士、施工管理技士の国家資格保有者を対象に「耐震天井診断士」の認定制度を始めた。天井耐震診断や耐震改修の専門技術者を育成することで、安心・安全な空間を広める狙いがある。当初は組合員を対象としていたが、一般からの問い合わせもきているという。
 耐震天井といっても、完全な天井だけでなく、コストをあまりかけない方法や壊れても落ちてこない工法、日常の仕事をしながらできる施工など、さまざまなバリエーションがある。
 「グレードに応じた改修方法を教える」(塩入技術委員長)ことで、ニーズに応えられるようにする。
 耐震天井の施工ライセンスを持つ組合員は、現在約2000人。「診断士は200-300人まで増やし、全国の都道府県をカバーできるようにしたい」(同)と、耐震天井の普及に向けた体制を早期に整える考えだ。


(平成23年5月18日 建設通信新聞)


2011年05月19日 更新